まいまいの中四個人2005 〜前人未到の11種目への挑戦〜

1014日から16日にかけて愛媛県砥部陸上競技場で中四個人がありました。

今回、僕は10000mと十種競技に出場しました。自分でも超がつくほどアホだと思います。でも、アホだからこそできたのだとも思います。

この3日間は僕の人生の中で「最も過酷」で、「最も楽しめた」時間といっても過言ではありません。この3日間で感じたことを忘れたくないし、自分がどんな思いでこの中四個人に望んだのかを再確認したいと思ったので日記に残そうと思いました。

長くなりすぎました。ちょっとでも読んでくれたら嬉しいです。

 

1014日(初日) 曇り時々雨  

出場種目 10000m

 

10000m

専門の種目でありながら相当不安を残して臨んだ種目。

かれこれ中四インカレの前ぐらいから6000m以上ペーランをしていない。というかできなかった。10000m以上のペーランをしようとスタートするのだが、すぐしんどくなってしまって、いつも4000mぐらいで辞めてしまう。10月になって400m92″のペーランでやっと6000mまでいけるようになったのだが、高知大の中で1番最初に途中で辞める人、つまり一番根性のない人だった。

唯一、プラスの要因としては直前の2000m×1本でヨッシーにうまくついていって63秒で楽に走れた事。もう4年だし、消極的な走りをして悔いを残したくない。最初から攻めていって、辛くなったらとにかく粘りの走りをしようと心に決めた。

次の日からの十種のために力を温存するという考えは微塵もない。とにかく今回は目の前の種目を全力でこなしていくことだけを考えてスタートラインにたつ。そんな予定だったのだが…

悲劇はスタート直前に起こった。「椅子でスネを強打!」これはマジで痛かった。本当に数分間動けなかった。みんな集中していたし、誰にもいえないこの辛さ…

結局、スネを刺激しないことだけを考えてスタートラインにたったのであった。このとき、ゆっくりスタートについたことで余裕を持っていると勘違いしていた人もいた。まぎらわしてしまってすいません。

もちろんレースが始まるとそんなことは関係ない。200mでスネの痛みは感じなくなった。逆に刺激が入ってよかったのか、うまいこと2番手でレースの流れに乗ることができた。ずーっとミヤザキに引っぱってもらって、5000mの通過は1625。先月の5000mタイムトライアルでは1640秒かかっていたので、だいぶ調子は戻ってきていることが確認できた。5000mを過ぎてすぐレースが動き始める。ペースが少し上がっただけで離れてしまい、粘りのレースが始まった。なんとか80秒〜84秒で耐えることができたのだが、このときは無駄な力を使って走っているのが自分でもすごくわかるくらい下手な走り方で、これからの課題が明確になるレースだった。つまり収穫ありです。

記録は3330秒で、公認のトラックレースでは一応ベストが出ました!

去年のペーランで337秒で走ったことがあるので、微妙ですが…

なにはともあれ、10000mでベストが出たことは2日目以降に勢いをつけたことには間違いない。ほぼ100%の力を使ったので、いっぱい飯を食って、ゆっくり風呂に入って、ぐっすり寝て回復させたのでした。23時就寝…

To be continued…

 

1015日(2日目) 雨  

出場種目 十種競技1日目(100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m

 

6時。コイ君に起こしてもらう。コイ君と一緒の部屋っていうのが不思議だ。全く違う種目をしているので、いつもは一緒の部屋にはならないからね。

10種組(コイ君、きーさん、マイハラ)7種組(ムラオ、あこちゃん)はタクシーで朝飯も食わず、630分に出発。雨が降っていて、気分が少しブルーになる。途中でコンビニにより朝飯を買う。前日いっぱい飯を食ったはずなのに腹がかなり減っていて、朝からガッツリ食いました。

この日は全種目初めて出るので、とても楽しみでした。

 

100m 

指導者…もりもり(スタブロ指導)

 

十種最初の種目は100m

練習らしい練習はしたことがない。100mとトッパーをかねてスタブロの練習をしたぐらいだ。

距離的には10000m1%にしか当たらないが、奥が深い競技だ。100mという短い距離の中でどれだけ自分の力が出せるか。どんなアップをすればいいのか右も左も分からないままジョグや流しをした。ここに来て、きーさんから借りたサイバーブレードを初めてはいた。

コールで2日間一緒に戦う人達と会った。みんなガタイがよく、身体能力の高そうな人ばかりだった。ここで、はやくも場違いな雰囲気が漂う

いよいよ100mのスタート。名前を呼ばれ、手を上げてお辞儀をする。やりなれていないので、緊張感が高まった。

位置について………ヨーイバン!!

一瞬で終わっていた。

スタートで出遅れたと思ったらゴールしていた。疲れる間も与えてくれない。

記録は1281…。足が重かった。長距離を走るときは多少足が重いほうが、後半動いてきていい結果が出るが、短距離は足を思いっきり軽くしていかなければ全然力が出し切れない。力を出し切るまではいかなくても、力を出した感覚ぐらいは味わいたかった。アップがもっと必要だったのもあるが、一番の理由はただ単に力不足ということです。

結局、ブッチギリの最下位スタート。気分を入れ替えて次の種目「走幅跳」に臨むのであった。

 

結果 100m 1281 得点…501点 トータル…501

 

 

・走幅跳 

指導者…キタヤマさん、コイ君 共同練習者…きーさん、あこちゃん

 

 100mが終わって混成競技専用の控え室で少し休んでいると、走幅跳のコールが始まった。2種目目なのでまだ余裕がある。

 幅の練習は1週間前に1度だけ40分程度やった。言い換えると、ほぼやってないってことです。コイ君曰く、「幅は練習せんでもいける」ということなので、その通りにしました。が…、練習で跳んでみたら全然跳べないことが判明。スピードがないから当たり前だけどね。助走はうまかったらしいのだが、形にこだわって5mも跳べず、不安を残して臨んだのでした。

助走練習のとき、ミトさんが肉離れのため、まさかの途中棄権。高知大学の十種競技のパイオニアのミトさんが棄権する事を知って相当ショックを受けた。そんな中であっても、無情にも競技は進んでいく。10種競技は誰が生き残っていくか、サバイバルレースのような要素も含まれていた。

 俺の助走練習はというと…全然踏み切りがあっていない。最初のほうは逆足で踏み切ってしまう始末。きーさんの助走練習はもっとひどい。俺のスタート位置を参考にするのだから当たり前か…。

 1本目、きーさんが全然踏切があってない&変な跳び方で跳ぶ。しかし!記録は5m42cmで意外といい記録が出る。俺は思いっきり跳んだのだが、踏切が全然合わず5m02cm。ちょっとショックを受ける。コイ君とキタヤマさんは走幅跳のお手本のようなジャンプで俺たちとは違う次元で戦っていた。俺は2本目も踏切があわなかったのだが、思いっきり跳んで、砂場にアクロバティックにローリングした。これはさっきより跳んだんじゃないかと思ったのだが、記録は4m83cmヘボい記録のわりに、めっちゃ砂が体中についてしまって悲しかった。まさに汚れ損です。原因は力みすぎと言う事が判明。3本目はリラックスして助走して、徐々に加速して、普通の幅の跳躍ができた。記録は5m15cm。ちょっと悔いが残るが、3本目でまぁまぁ納得できた跳躍ができたのでよしとした。

ただし、幅も100mに続いて最下位を取ってしまった。はやくも不名誉な2冠王です。

 

 結果 走幅跳 5m15cm(+0.1m) 得点…411点 トータル…912

 

 

・砲丸投 

指導者…モミ、ミユキ 共同練習者…きーさん

 

幅が終わって、休む暇なく砲丸投のコールがあった。昼からは晴れるはずだったのに、ここに来て意味がわからんぐらいどしゃぶりの大雨だった。

砲丸の練習もほとんどできていない。学校で10分×2回投げたぐらいです。

練習からとにかく思いっきり投げて、試技に移る。1投目、雨に打たれながら砲丸をなげる…6m84cm。なかなかとばない。1投目が終り、少し時間があったので、モミにどうやったらとぶか簡潔に教えてもらった。そして、砲丸はとにかく気合いとテンションということだったので、とにかく気合いをいれて2投目に臨んだ。7m34cm。うまいぐあいに砲丸に力が伝わり、1投目より記録が50cm伸びた。記録はしょぼかったが、10種初のガッツポーズが出た。2投目が終わり、記録が残ったことに安心して、俺ときーさんは走高跳のことが心配になってきた。ちょうど、隣に走高跳のピットがあったので、砲丸投の最中にも関わらず、二人で助走練習をしていた。大雨の中スローイングシューズで…。このとき、コイ君ときーさんとなんだか楽しくて大笑いしていた記憶がある。そんな事をしていたため、3投目は記録が伸びず終わってしまった…。この種目は最下位じゃなかったぞー!!

 

結果 砲丸投 7m34cm 得点…327点 トータル…1239

 

 

・走高跳 

指導者…ヒロオミ 共同練習者…コイ君、きーさん、あこちゃん

 

砲丸投が終わったら、すぐに俺ときーさんの不安な走高跳だ。

走高跳は2回練習したのだが、助走5歩ではさみ跳びしか練習していなかった。助走位置も分からないので、適当に7歩でいけるぐらいにマークをつけた。そしたら、きーさんも助走位置がわかっていないらしく、俺の助走位置と同じ位置にした。ただ、きーさんは俺と逆足でスタートするので、足があうはずがない。案の定、練習試技のときは足が全くあわず、近くで踏み切って支柱にぶつかりそうになっていた

本番は1m30cmから始まった。普通は1m40cmから始めるのだが、きーさんがゴロウちゃんに頼んで、代表者会議で1m30cmから始めてもらったのだ。

俺ときーさんぐらいしか1m30cmから跳ばないと思ったのだが、結構安全策な人が多く、1m30cmから始める人も何人かいた。きーさんは相変わらず支柱にぶつかりそうだが、余裕でクリア。俺はなんとバーに当たりながらギリギリクリア。これはヤバイ。記録が残り、一応ほっとしたが、同時に不安も残った。1m35cmもきーさんは余裕でクリア。俺はなんとまたまたバーに当たりながらギリギリクリア

1m40cmはきーさんギリギリクリア。たぶん彼の自己ベストだろう。俺の1本目は失敗…全体を通して初の1回失敗者になってしまった。10種は跳んでしまえば試技数は関係ないので、開き直って2本目を跳んだ。ギリギリ成功。脱落せずにすんだ。ここで俺はもうはさみ跳びでは無理だと思った。ここはいまだに一回もやったことがない背面跳びで勝負しよう決め、コイ君ときーさんに次は背面跳びで行くと宣言した。

1m45cmきーさんの1本目は失敗。俺は思い切って背面跳びをした。

ほとんど勘で跳んだら、なんと奇跡の成功!

コイ君曰く「かなり綺麗でうまかった」そうだった。高知大陣は俺の背面跳びで大笑い。

コイ君曰くA「今日一番のギャグ」だそうだ。

きーさんは2,3本目跳べず、残念ながらここで脱落してしまった。

1m50cmでは奇跡は続かず、俺も脱落してしまった。でも、頂点はあっていたみたいなので、もっと練習しておけばいけたなぁと悔やまれる。

あっという間に4種目が嵐のように過ぎ去った。

 

結果 走高跳 1m45cm 得点…352点 トータル…1591

 

 

400m 

共同練習者…短距離ブロックの皆様

 

 走高跳が終わったら、少し休む時間があった。動くのがだるくて、ずっと、混成控え室でゴロゴロしていた。

 400mの練習はたまに短距離に混じって走っていたぐらいで、自分が400m本気で走ったらどうなるのか全く見当もつかなかった。恐らく、俺の体はじわりじわりと乳酸が溜まるのには耐えることができると思うが、一気に乳酸が溜まると400mとはいえ最後に失速してしまう可能性もある。しかも、走る前から乳酸はかなり溜まっている状態だ。そんなことを考えていたら400mのコールの時間になった。アップをする元気もなかった。

 400mのスタート付近で何度か流しをしたのだが、体が重くてどうしようもない。だが、スタート前、高知大の応援が激しくてテンションがかなり上がる。もうこれは行くしかないと思って、腹をくくった。1回フライングがあり、ちょっと焦るが、これも短距離の醍醐味だと思って、なんだか10種を楽しむ余裕も出てきた

 スタート後、こっちは最初からマックスでつっこんでるにも関わらず、120mで内側の人に抜かれる。200m地点で一気に酸素が足りなくなり、肺が膨張して、経験した事ないような苦しみに襲われる。ラスト100mまでは最下位だったが、根性で粘って2人抜いてゴールした。

 タイムは5592で不本意ではあったが、やりきった感いっぱいでとても楽しめた。

 1日目が終わっただけではあるがわかった。10種って凄く楽しい。

 

結果 400m 5592 得点…562点 トータル…2153

 

 昨日同様、晩飯はたらふく食べて、疲労が溜まりすぎていたので、次の日のトッパーを不安に思いながら夜10時就寝… 

 

To be continued…

 

1016日(最終日) 晴れ 

出場種目 十種競技2日目(110mH、円盤投、棒高跳、やり投、1500m

 

デカスリートの朝は早い。朝5時。コイ君に起こしてもらう。コイ君と一緒にコンビニに行って朝食とコーヒーを買う。10種組と7種組は610分キタヤマさんとマスダさんに迎えに来てもらって出発。きーさんは630分出発と思っていて焦っていた。

とにかく110mHが不安でしょうがなく、その事ばかり考えながら競技場に向かった。

 

110mH 

指導者…オカダ君、もりもり、あこちゃん 共同練習者…サコ(三障)

 

 最終日最初の種目は…俺の最も苦手とする110mHどれだけこの種目に不安を抱えていたことか。ハードルで失敗するを見たぐらい…。ゲツリクとリクマガのハードルのトレーニングの欄を2年分ぐらい読んでイメージはばっちりだったのだが、練習では1台目の入りしかできず、2台目以降はとべていなかった。

 競技場につき、軽くアップをして競技場が開くと同時に入る。すぐにハードルの練習に入った。最初は一番低いハードルで軽くとんでいた。ここできーさんがまさかの転倒。一番低いハードルで足をぶつけてしまった。結構痛かったらしく、後の1500mの時まで痛いといっていた。

 あこちゃんにハードルのストレッチを教えてもらい、ついに本番の高さでとぶことにした。やっぱり高い。106.7cmが俺の前に立ちはだかる。いつものように1台目だけとび2台目からは勇気がないのでとべない。1台目で思いっきり踏み切ってしまって、足の裏が痛くなる。俺の中でハードルは短距離というより跳躍の要素が強い気がする。さすがに時間がなくなってきて焦る。ハードル間を3歩で行くのを諦め、安全策の屈辱の5で行く事に決めた。

 いよいよ本番になり、緊張しているのか、開き直っているのか、諦めているのかよく分からない状態で臨んだ。ケイコ曰く「ハードルはノリとテンション」らしいのだが、それだけでは無理なものは無理だった。

 スタートしていきなり遅れる。そしていきなり歩数があわない。最初の1台目は8歩でいく練習をずっとしていて、それだけは練習でも失敗しなかったのにいきなり10歩になる。そこからはもうグダグダ。ちょこちょこ走ってジャンプを繰り返した。たかが20数秒の恥と思っていたが、かなりへこんだ。応援してくれた皆さんに申し訳なかった。

 結果は2486で点数はなんと68点!

なんだこの点数は……

十種ベテランのミトさんも2桁の得点は見たことないといっていた。

これはもう笑うしかなかった…。

 

結果 110mH 2486 得点…68点 トータル…2221

 

 

・円盤投 

指導者…ミユキ、大ちゃん 共同練習者…シモムラ

 

 円盤は直前の水曜日に1回だけ練習した。大ちゃん指導の下、10回ぐらい投げてベストは17mだった。一緒に練習してくれたシモムラもサンキュー。

 十種に出て何もかも初めてのはずだが、なんだかフィールド種目に慣れてきていて、練習試技を始めた。練習試技で不思議なことが起こる。普通、円盤は落下した後滑っていくはずなのだが、俺の円盤はなぜか真上から自由落下させたように地面にはまってしまった。きーさんもありえない方向に円盤が地面に刺さるという妙技を見せてくれた。

 本番に入り、1投目は円盤が変な回転をしながら飛んでいった。明らかに失敗。記録は14m20cm。記録は全然駄目だが一応記録が残ったので一安心。コイ君とキタヤマさんにアドバイスをもらいイメージする。2投目はいい回転をして飛んでいったのだが、ファール。明らかに1投目より飛んでいたので、ちょっと悔しかった。3投目もまずまずいい感じで飛んでいって、16m35cm

 なかなか点が取れないが次は好きな棒高なので、頑張っていきまっしょい。というか頑張らなければ…そのまま棒高のピットに向かった。

 

結果 円盤投 16m35cm 得点…205点 トータル…2426

 

 

・棒高跳 

監督…玉ちゃん コーチ…はるか スタッフ…オオタニ 生徒…ヤスイ 

 

 棒高は最も10種にむけて練習した種目だ。1ヵ月半ずっと週12回練習した。特に玉ちゃんには何度も春野に連れて行ってもらってお世話になりました。

 玉ちゃん、はるか、オオタニが基礎基本からうまく教えてくれたことが大きかった。こんなにいい指導者に恵まれなかったら、俺は跳べなかったと思う。そしてコイ君、ミトさん、やすい、高校生の子達と一緒に練習できて、ほんとに棒高の練習は楽しかった。

 8種目目ということもあり、疲れていて助走が走れないかと思ったが、前日に100m400mなど走ってかなり刺激が入っていて、助走位置がどんどん伸びていった。けれども走れた分、助走が安定せず、本番は2m90cmと目標の3mには届かなかった。絶対跳べると思っていたので、かなり悔しかった。

毎回アドバイスをくれた玉ちゃん、応援してくださった方々、ありがとうございました。

 

結果 棒高跳 2m90cm 得点…333点 トータル…2759

 

 

・やり投 

指導者…ニシハラさん、ミユキ 共同練習者…きーさん、あこちゃん

 

 やり投も1週間前、1度だけ西原さんに教えてもらい投げた。俺は肩が弱く、全然飛ばないまま本番を迎えた。

 いつのまにかもう9種目。なんだか競技に振り回されている。

 本番直前、俺ときーさんは重大なことに気づく…。

投げ方は教えてもらったが、助走の練習をするのを忘れていた。

今までこんなに初歩的なことに気づかなかったとは…。目の前の種目にいっぱいいっぱいになって、そこまで頭が回っていなかった。

 とりあえず、いきなり練習試技だったので、とにかく適当に助走をして投げた。助走の仕方が分からないので、なんと2ステップ踏んで投げてしまった。あまりにもひどすぎてスタンドから笑いが起こる。みんなよく観ているなぁと感心しながら、コイ君に助走の仕方を即席で教えてもらい、なんとかできるようになって感動した。

 1投目、とばなすぎて他の人とは異次元の世界だ。審判の人、走らせてしまってすいません。ただ、ヤリが前から落ちないので、ファール。スタンドから笑いが起こる。コイ君とキタヤマさんに滞空時間が短いからということを指摘され、もっとライナー気味で投げるように指導を受ける。2投目はライナー気味を意識して投げる。全然飛んでいないが、なんとか前から落ち記録が残る。20m28cm。スタンドから笑いが起こる。他の人はだいたい30m以上投げているのでだいぶ恥ずかしい。ただ、スタンドの高知大の人達笑いすぎです。他の観てない人にまで全然飛んでないのがばれるじゃないか…。まぁ、ここまできたら俺に怖いものなんてない。記録が残り安心して、コイ君ときーさんとまったりと過ごす。そしたら、他の大学の人にここだけもう終わった雰囲気がでとるよ」といわれた。完璧に観戦者になっていた。3投目はまたヤリがうまく落ちずファール。結局、20m28cmという記録が残ってしまった。やり投げ王国高知大の中四チャンピオンに教えてもらったのにこの記録とは情けないです。

 ラストの1500mでここまでの借りを返します!

 

結果 やり投 20m28cm 得点…165点 トータル…2924

 

 

1500m 

共同練習者…中長ブロックのみんな

 

 ついにここまで来た。短距離系やフィールド系で屈辱的に力の差を見せつけられてきたが、ここは俺の領域だ。長距離選手のプライドにかけてここだけは絶対譲れない。終わりよければ全てよし。最下位4冠(100m、幅、110mH、ヤリ)でも、カンッケーないぜー。

 ただ疲労はピーク。走らないでいいなら走りたくはない。足に乳酸が溜まりまくって、ジョグも流しもままならない。もう疲れ果てて何がなんだか分からない。でも、テンションは上がってきたから、カンッケーないぜー。

 スタート前、ここまで一緒に9種目頑張ってきたみんなと円陣を組む。ここで何故かきーさんが掛け声をかける。気合いが入ったところで、スタート位置に並ぶ。俺は得点が低いので1番走りにくい1レーンに入れられた。でも、カンッケーないぜー。

 コイ君やキタヤマさんにみんな最初飛び出して、ペースを乱されるから気をつけろといわれたのだが、みんな意外と消極的でペースが上がらなかった。でも、カンッケーないぜー。駆け引きする気もなかったし、様子を見る気もなかったので、そのまま50mでトップに立った。そこからは一人でペーランしているようにペースを刻んでいった。それが1番省エネでタイムが出ると思ったから。

走りながら、大学ごとの応援合戦でトラックの中にものすごく熱いものを感じた。高知大の連呼や他の大学の人にも応援してもらって、あの雰囲気の中で走れて、めちゃくちゃ気持ちよく走ることができた。ホントに感謝です。

 ラストにきーさんが追い上げてきているようだったが、そんなことには全く気づかず、ゴールを駆け抜けた。記録は42483。納得はできないタイムだったが、トップでゴールして、やり遂げた充実感があった。それは10種やったみんなに共通して言えることだったようで、まず後ろにいたきーさんとハイタッチして、他の大学のゴールしてくる人たちともハイタッチしたり握手したりお互いを称えあった。ものすごく感動したし、1500m走ってしばらくは疲れすぎて、放心状態だった。

 

 もう1つよかったこと。

マイルをゴール地点の一番いいところで見ることができたこと。

 これは凄かった。もちろん初めてあの位置からマイルを見させてもらったが、素晴らしいの一言だった。10種が終わった後で疲れすぎて感情が豊かになっていたせいもあるのかもしれないが、感動しすぎた。

声がかれながらも連呼を続ける応援団。選手は応援に応えるため、大学のため、いろんなものを背負って走るから最高の走りができる。最高の走りっていうのは速いとか遅いとかそういうレベルでの問題じゃない。それぞれの大学にドラマがあって、みんなが一つになる。そして誰もが一生懸命だっていうのを感じる。だから喜んだり、悲しんだり、嬉しかったり、悔しかったり、そんな感情をみんなが共有できるんだと思った。

 俺もみんなが頑張っている姿を見て、感動しすぎて声を出したら涙が溢れそうで、声を出して応援する事ができなかった。学生最後の中四個人でこんなに感動する事ができて、俺は本当に幸せ者だった。

 

 10種の控え室に戻り、やっぱり感情が豊かになりすぎてコイ君ときーさんと10種の面白かった話をしてずっとケラケラ笑っていた。何十年後かに再会してもこの10種の話をしたら絶対何回でも笑ってしまうぐらい楽しい思い出ができた。本当に10種に出てよかった。10種に出なかったら、陸上の楽しい部分の一部しか知らずに一生終わるところだった。恒例の中四個人後の4回生の言葉も結局10種の話をしてしまうぐらいはまってしまったしね。

 10種に出る勇気さえあれば、俺でも出たのだから、誰でも出れると思います。最高の感動を味わえるので、ぜひ機会があればいろんな人に挑戦してもらいたいなぁと思います。

 

結果 1500m 42483 得点…779点 トータル…3703点(16位)

 

 

・今回の中四個人を終えて…

 

 そもそも何故今回10種に出たのかというと、実は1回生の6月ぐらいから4年の中四個人では絶対10種に出ると決めていました。それを実行するところがアホですが…

 でも、コイ君ときーさんが出なかったら僕は出てなかったかもしれません。

 元短距離ブロック長のきーさんと元跳躍ブロック長のコイ君、そして元中長距離ブロック長の俺でブロック長時代に約束しました。4年の中四個人でブロック長対決をしようと…

 僕は中四インカレなどで得点がとれるような選手ではありませんが、他のブロック長のきーさんやコイ君、元投擲ブロック長のミユキはインカレで優勝したり、入賞したり中四を代表するような選手です。そんな凄い選手と一緒にブロック長ができるのは僕にとって凄く嬉しい事であり、不思議なことでした。

彼らの活躍と比較して、自分はいったい何をやっているんだと落ち込むこともありました。でも、それ以上に彼らの頑張っている姿、アホなぐらい練習している姿を見て、自分も頑張らなければと刺激を受け、頑張ることができました。種目も違うし、考え方も違う、プライベートで遊ぶ事なんていうこともなかなかないので、特別仲がいい訳ではないのですが、僕は彼らのことを尊敬しているし、認めています(偉そうでごめんなさい)。

 そんな彼らと1度でいいから全力で戦ってみたいと思うようになりました。それができるのは…4年の中四個人の10種だ!(この考え方もアホですね…)でも、短距離、跳躍、中長の枠を超えて戦えるのはほんとにこれしかなかったと思っています。

 今回の僕の目標は「全力で」「楽しく」「1500mは絶対勝つ」でした。他の種目の勝ち負けなんて「カンッケーないぜー(ボーダフォンのCM風に)」といってしまうのは競技者として失格なのかもしれませんが、全力で楽しんでできれば、勝負にこだわらない試合も稀にあっていいと思います。

今回の僕は長距離ランナーとしての誇り(プライド)を守り自分の領域を主張できればそれでよかった。僕はバカだから、10000mに出て10種の1500mで勝つことによって、きーさんとコイ君に自分の存在を認めてもらいたかったんだと思います。だから長距離だから不利とか言われても「カンッケーないぜー」だし、10000mに出ないことは自分のプライドを捨てる事になるのでそれはできなかった。

実際、コイ君やきーさんに総合得点ではブッチギリで負ました。でも、

きーさんが400mで勝つ。コイ君が10種の総合得点で勝つ。俺が1500mで勝つ。

そんな当たり前の図式を再確認する事、それを言葉でなく競技で自分の領域を主張する事によって、自然とお互いを認め合うことができているのだと思います。

今回僕がここまで無理できたのは彼らと肩を並べたかったから、彼らが僕にとって一番認めて欲しい人だったからかもしれません。

 

 最後になりましたが、指導してくださった方々、サポートしてくださった方々、一緒に練習してくださった方々、応援してくださった全ての人達にこの場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 

 

番外編 5000m1022日中長記録会in春野)

 

十種が終わってはや六日。十種の疲れが抜けきれず、ふくらはぎが軽くニクっている状態ではあるが、中四駅伝を前にそんな事も言っていないので、中長記録会に出ることにした。

 実は5000mに出るのは今シーズンまだ2度目。ゴールデンウィークの県選以来だ。俺は結構試合に出ているように見えて、中四レベル以外の試合に出るのは稀なのだ。

 そんな事はいいとして、とにかく大幅に自己ベストをだそうと思った。前日の1000mの刺激を250秒。十種で培ったスピードで最初の20030秒で入ってしまったので、だいぶスピードはついてきていると確認できた。例年とは違い、スタミナから攻めていくのではなく、スピードをつけて長い距離にアプローチしてきたので、ベストが出るような根拠はあまりないのだが、いけるかもしれないという自信があった。

10種をした後の俺に怖いものなんてない。

 レースはまずまずいい位置からスタートできた。気象はやや風があったが、涼しくて走りやすかった。雄斗が前の方で頑張っていたので、だいぶ刺激を受けた。最初の入りは34秒でまあまあ。そこからはよく覚えていない。とにかく集中して、流れに乗っていった。

結果、154390で約14秒自己ベスト!

走り終わった後すぐは嬉しかったが、時間が経つにつれ、まだまだいける感じがした。去年は9月に調子のピークが来てしまって、維持する事だけで精一杯だったのだが、今年は調子が今になって上がり調子なので、怪我には気をつけて(特にふくらはぎ)もっともっと調子を上げていきたいと思う。

10種をしたから、長い距離が走れなくなったという言い訳はしたくないし、

10種をしたからこそ速くなったと言われるようになりたい。

この中長記録会で中四駅伝が更に楽しみになってきた。今年の1回生は強い。ミヤザキが1525秒、ツダとコマちゃんも15分台で走った。ついに高知大は15分台でも中四駅伝に出れない人が出てくる時代になった。雄斗も調子が上がってきているし、メンバー争いはかなり熾烈になってくるだろう。みんなで高めあっていければすごくいいチームができると思う。

もちろん俺も誰にも負けたくないけどね。